「巫女譚歌」



=蝦夷編=

「『「やぁ…ぁ…見ないで、みないでぇ…」
麻痺した下半身は漏れ出した熱い液体を止める術をもたず、少しずつ薄黄色のしみが広がっていく…」


 邪神の気配を追って旅を続けるアイヌの巫女、ナコルル。使命感と意思の強さが、彼女の凛とした表情をさらに際立たせる。 そんな彼女の目の前に現れた少女の容姿は、行方のわからなくなっていた妹のものだったが…。



=越前編=

「『ひっ……ひぁぁっっ!!』
一番敏感な若芽が埋もれているであろう場所を指の腹で押し込まれると、途端にあられもない声を上げて悶え出した…」

 姉の行方を追って、越前の国に入ったリムルル。城下町でナコルルと出会えたものの、そこに優しい姉の面影を見出すことはできなかった。
「違う…姉さまじゃない…」狼狽する少女の柔肌を、女たちのしなやかな指がなぞりあげる。





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