〜出会い(後編)〜





「あなた……女の子、だったの……?」

 小さな剣士の太腿の付け根辺りは、愛液でじっとりと濡れていた。薄手の白い下着はうっすらと透けており、中心部には微かに黒い茂みが浮き上がって見えた。しかし、本来その下に付いているべき男の”もの”は見当たらなかった。

「ひっ!!」

 一応確かめてみようとリーアが恥丘に軽く手を触れると、少女はしゃくり上げるような悲鳴を漏らして身悶えた。もちろん、そこには男の証は無く、なだらかに盛り上がった土手のみがあった。

 不思議なもので、一度女の子だとわかってしまったら、もう男性には見えなかった。これが先入観というものだろうか。店の者も、リーアも、娼婦館に来るのは当然男だという思い込みがあった。もちろん普通はそうなのだが。
 しかし、両手を拘束されながら身を小さくして泣きじゃくる今の姿は、どう見ても少女そのものである。

「…どうして?…どうして女の子がこんなところにいるの?」

 リーアが思わず声を荒げるのを聞いて、さらに身を固くする。そして堰を切ったように声を上げて泣き出し始める。目隠しの端から零れ落ちた涙が頬を伝ってシーツを濡らした。

「(どうしよう…店に知らせるべきかな…)」

 厄介ごとを抱え込んでしまったというような表情を浮かべ、大きなため息をつくリーア。すぐに店の者を呼んでも良かったが、こんな少女を引き渡すというのもためらわれた。なにせ、いざトラブルとなると武器を携えて駆けつけてくるような屈強な連中ばかりである。

「ごめんなさ…い……ひぅっ」

 そんなリーアの気持ちを知ってか知らずか、少女はか細い声を絞り出すようにして謝罪の言葉を述べる。まだ呼吸は荒く、時おり嗚咽を洩らしている。

「(まぁいいわ……)」

 そもそも、女が売春宿に来てはいけないなどという法があるわけでもない。もし店に知らせるにしても、とりあえず本人から話を聞いてみてからでも遅くはない。そう考えたリーアはベッドに横たわる少女の頭の後ろに手を回し、目隠しを解いてやった。

「………」

 お互いの目が合った瞬間、リーアは思わず息を呑んだ。悩ましげに寄せられた細い眉、透き通るように澄んだ青い瞳、そこに湛えられた涙…。そういえば、真正面からこの娘の顔をじっくりと眺めたのは初めてである。今までは常に視線を逸らされていたせいで、彼女のうつむいた顔しか見ることはできなかった。
 
「綺麗な顔……」

 ベッドの端に腰掛けて、そっと少女の頬に手を伸ばそうとするリーア。剣士の格好をした女の子は反射的に体を震わせ、目をぎゅっと閉じてしまう。再び溢れた涙で白い頬が濡れていく。

「ご、ごめんね…」

 別にリーアが誤る必要はないのだが、少女の様子を見ていると、こちらが悪いことをしているような気分になってくる。顔に触れるのは一旦やめ、刺激しないようにレザーアーマーの肩口のところにゆっくりと手を置いた。

「(本当に可愛らしい子……)」

 こんな綺麗な娘となら床を共にしても良いかも…。いつの間にかそんな気分になりつつあった自分に驚いてしまう。同性愛の気は無かったはずだが、これも形を変えた一目惚れと言って良いのだろうか。
 うつむき加減の少女の顔を眺めていると、素肌の白さ、きめ細やかさに感心させられる。同性とはいえ、長い冒険の旅で日焼けしてまった自分の肌とは大違いである。そして視線を下に向けると、瑞々しい唇があった。

 やっぱり女の子なんだ…。改めて認識させられながら、リーアは少女に話しかけた。

「ねぇ、あなた、名前は何て言うの?」

 わざと強い調子で言うリーア。

「ぁ…………シャ、シャイ…ア」

 口ごもった少女の様子から、偽名を名乗っていると直感する。しかしそれには構わず、胸当ての部分に手を伸ばすと防具を固定している革紐を解き始めた。

「そう…じゃあシャイア、続きをしましょうか……」

 少女の瞳に怯えの色が浮かぶ。

「もう、いいです……帰ります……」

「そうはいかないわ。お金をもらってしまってるし。
 それに…こういうことして欲しくてここに来たんでしょ?」

 二言三言交わしている短い間に、リーアは器用に胸当てを外してしまった。予想通り、その下には控えめな大きさではあるが、はっきりと2つの膨らみが見てとれた。最初にアーマーの上から胸に触れた時に得られた違和感の理由も今ならわかる。

「ひぃっ…ぁあっ!!」

 胸の谷間から、わき腹にかけて半円を描くように指先を這わせると、ひときわ高いトーンの悲鳴を発して身を仰け反らせた。両手を固定しているベッドの柱が軋むような音を立てる。

「そんな…もう…離して…ぇ……」

 頬や首筋に軽い口付けを繰り返しながら、胸の双丘をゆっくりと手で包み込むように愛撫する。まだ小さな膨らみは手の中にすっぽりと収まってしまいそうな大きさである。

 少女も最初は嫌がる素振りを見せていたが、丁寧で優しく、それでいて執拗なリーアの攻勢に最後は飲み込まれてしまう。頬だけではなく首筋まで赤く染め、時おり唇をかみ締めては悩ましげな表情を見せていた。

「やぁ……ふぁ…あ…ひやぁああああっ!!」

 太腿の方に手を伸ばしたリーアが指先で下着の底を撫で上げた瞬間、部屋の中に切羽詰ったような悲鳴が響く。少女の目は丸く見開かれ、半開きの唇は小刻みに震えている。

「すごい…水っぽいのね……」
 
 感心したようにリーアが言った。少し指でなぞっただけなのに、下着を通して溢れ出した愛液が彼女の指を濡らしていた。そのまま少女のスカートを取り去ると、ゆっくりと下着を脱がせ始める。

「脱がしちゃ…だめ…見ないで…見ないでぇ……」

 口からは拒否の言葉を紡ぎ出すが、未経験の刺激に襲われている身体は力が入らない。それでも左右に身体を振って抵抗する意思だけは見せている。

 難なく少女の両脚から下着を抜き取ると、ベッドの上で半身を起こし、目の前に横たわる小さな剣士の姿を眺めるリーア。

「可愛い……」

 幼い仕草に惑わされていたが、体つきを良く見れば、大人の階段を登り始めた雰囲気を漂わせている。ほっそりと伸びた手足、くびれた腰回り…。
 両腕や両脚にはレザーアーマーを装着したままだが、胸当ては外されて肌着がのぞき、腰回りは生まれたままの姿を晒している。その不自然さが妙に扇情的で、嗜虐心を煽る。

 リーアは立膝をついたまま少女の両脚の間に身体を割り込ませると、下腹部を手のひらで優しく撫で回して言った。

「ねぇ…ここは……経験済みなの……?」

「知りませ…ん……ぁ…くふっ!」

 身体中が敏感になっているのか、普段であれば何でもないような刺激でも少女を悩ませるには十分だった。お臍と秘めやかな所の間をリーアの手が往復する度に、お腹の筋肉が不規則に痙攣している様子がわかる。

 少女の薄い茂みをかき分け、幼い割れ目を探り当てるリーア。指先の感触から、もう十分に潤っていると判断し、秘唇を押し広げようと力を入れる。

「やっ…あぁあっ!…痛…い………」

 小さな肢体を目一杯に突っ張らせて悲鳴を上げる少女。

「ごめんね……」

 爪でも引っかかってしまったのだろうか。今度は細心の注意を払いながらゆっくりと指を挿入してみる。しかし結果は同じだった。少女は身体を強張らせるばかりでリーアを受け入れようとしなかった。

「(やだ…この子、本当に未経験なんじゃ…?)」

 戸惑いながらも、今度は少女の股間に顔を埋める。若い娘特有の女の香りが鼻をつく。そっと舐めるくらいなら…そう考えて少女の秘所に舌を這わすリーア。

「……ぁ…あ…やぁ……くふぅっ!」

 大きな声こそ上げなかったものの、呼吸が止まりそうになるほどの衝撃が少女を襲っているらしい。力が入っているのか、縛られている手首の先が真っ赤になっている。目は再び固く閉じられ、じっとりと浮かび出した汗のせいで、前髪が額に張り付いている。

「(仕方ないか…)」

 リーアにとっても他人の女性器を間近で見るのはこれが初めてである。少女の秘所は色素の沈着もほとんど無く、綺麗に生えそろった恥毛の様子と相まって、まるで未開地といったところである。まだ奥に隠れたままの秘めやかな若芽はどうなっているのか…。そんな興味がふと頭をよぎるが、これ以上抵抗されて後味が悪くなるのも嫌だった。

 やむなく太腿に愛撫の対象を移そうとしたリーアだったが、何気なく体勢を入れ替えようとしたその瞬間だった。

「やぁ…ん……らめぇ………」

 先ほどまで上げていた悲鳴とは違い、少女は明らかに官能の色が濃く混ざった喘ぎ声を漏らした。事態が良く飲み込めなかったリーアだったが、自分の手が少女のお尻を押し広げていることに気が付いてはっとする。
 まさかとは思ったが、腰の下に両を回して双丘を左右に割り開くと、押し殺し切れない甘い声が再び少女の口から発せられた。

「こんなところが…弱いの…?」

 ほんの少し嘲るような調子を混ぜて言うと、少女は頬をさらに紅潮させて横を向く。しかしリーアが指を太腿の付け根からお尻の谷間に向かって滑り込ませると、少女は自分の腕に顔を押し付け、沸き起こる快楽に耐えるような仕草を見せる。

「ん……あぁ…ぁ…そこだ…めぇ…」

「急に色っぽい声出しちゃって…可愛い……」

 それまで必死に侵入を拒んでいたとはいえ、少女の秘所の奥からは熱い泉が湧き出し、後ろの蕾の方まで湿らせつつあった。リーアは愛液で濡れた指で谷間を押し分け、その奥にある蕾の周りをほぐすように揉み込み始めた。

「触っちゃ…やぁ……っだめ……も…ぁ…ああっ!」

 少女は自由な両脚に力を入れ、間にいるリーアの体を挟み込む。おそらく相手の動きを止めようと試みたのだろうが、無駄な労力でしかなかった。
 一方、リーアは少女の腰を浮かせ気味にすると、菊門の入り口に人差し指を立てた。また拒まれたら嫌だな、と思ったが、今度はきっと大丈夫だろうという予感もあった。そのままそっと力を加えると、少しずつ蕾の中に指先が飲み込まれていく。

「抜いてぇ…それ以上、だめ、ほんとに…ひぃああっ!!」

 第一関節まで侵入させた指をくの字に曲げ、後ろの穴の奥をかき回した途端、少女は隣の部屋まで響かんばかりの嬌声を上げた。反射的に括約筋が締まり、指を固く咥え込む。それと同時に乙女の恥ずかしい場所から熱い愛液が勢い良く溢れ出し、リーアの手首を濡らした。
 先ほどまでの何かに耐えているような表情は薄れ、瞳には官能の色が浮かんでいた。だらしなく半開きになった口の端からこぼれた涎が、首筋まで流れ落ちている。

「や…あ…あ…ふぁっ…ん……ぃっ!」

 リーアが指を捩じらせる度に、そしてじわじわと奥へ進んで行くにつれ、少女の体の奥から女の悦びが沸き上がってきている様子が見てとれた。

 嬌声を上げる間隔が次第に短くなり、両脚をリーアの背中側に回してぎゅっと締めつけ始める。そして…

「あ…あぁ……いやぁっ…もう…なんか……きちゃう……」

「もう……何?」

「や、あ……ひぅっ……あ、ぁ、あ!……きゃふぅっっ!!!」

 腰をひねりながら、白く小さなお尻を痙攣させる少女。奥深く埋め込まれたリーアの指にも腸壁の激しい蠕動が伝わってくる。そして指先が痺れてしまうほど強く、括約筋が2度3度と収縮する。

「達しちゃったんだ…シャイア……」

 少女の温もりに包まれた指をそっと引き抜きながら、体を起こすリーア。荒い息をつきながらベッドに横たわっている小さな剣士の全身を視界に入れた。
 相変わらず脚や腕にはレザーアーマーを装着したままだが、防具の合間からのぞく素肌は赤く染まり上気している。瞳には涙を一杯に溜め、視線はぼんやりと天井の方を向いている。そして生まれた時のままの姿を晒している乙女の恥ずかしい場所には、幾筋もの透明な液体の跡が光っていた。

「綺麗な子………」

 感嘆しながら少女の様子を眺めていたリーアだったが、自分の体が異常に火照っていて、頭がぼんやりとしていることに気付く。とにかく気分が落ち着かない。

「(何だろう…この気持ち……)」

 まだ、女剣士を陵辱しているという錯覚にとらわれているのだろうか…。相手が女の子とはいえ、ただのお客に対して気持ちを入れ込み過ぎたのかもしれない。

「さぁ、起きて。」

 リーアは少女の拘束を解くと、手首を掴んで上半身を引き起こした。まだ身体にに力が入らない様子で、そのままリーアの胸に頭を預けてしまう。

「……っと」

 正座するような体勢に座り直すと、もたれかかってきた少女の肩に手を回して支えてやった。緩やかにウェーブのかかった黒髪から、石鹸の微かな香りが鼻をつく。少女の髪の毛をそっと手で梳くと、予想通りしなやかな感触が伝わってくる。自分のそれとは全然違うな…と再び嫉妬のような気持ちがちらっと頭をよぎる。


――少女の乱れた呼吸も落ち着きを見せ始め、そろそろ声を掛けてみようかとリーアが考えていた時だった。

「やぁっ…いやぁああっ!!」

 突然短い悲鳴が響いたかと思うと、少女がリーアの胸を両手で押し返しながらベッドの上で後ずさる。急に正気に戻ったのだろうか。お尻を落とした女の子座りの姿勢のまま、必死に肌着を下に引っ張って恥ずかしい場所を隠そうと試みている。頬は再び紅潮し、羞恥心に責めさいなまれているといった様子である。

「ねぇ……」

「来ないでっ……」

 にじり寄ろうとしたリーアを制するように少女が拒絶の声を上げる。それを聞いたリーアは大きく息を吐いて一呼吸入れると、出来るだけ優しい調子で話しかけた。

「大丈夫…お互い女性同士じゃない。
 それに……防具を外さないと……ね?」

 伸ばした手が触れた瞬間、少女は身体をびくっと震わせて固くする。しかし時間が経つにつれて警戒心も少しばかり緩んできたのか、観念したように片腕をリーアの方へ差し出した。


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「じゃあ、次は脚を出してね……」

 レザーアーマーの大半が取り外され、少女の上半身は肌着一枚という姿になっていた。残るは両脚の防具だけである。
 おそるおそる曲げていた脚を伸ばしていく少女。肌着の裾を掴んだ両手を太腿の間に挟みこみ、脚が開かないように注意を払っている。

「(さっきあんなに恥ずかしい姿を見せちゃってるのにね……)」

 そうリーアは思うが、幼い少女にとっては羞恥心の方がまだ勝っているのだろう。

「あっ!……や…ぁ……」

 その時、少女が悩ましげな声を発し、伸ばしかけていた脚を引っ込めようとした。

「……どうしたの?」

 足首を掴んでいたリーアの手に、ふくらはぎの筋肉が張り詰める感触が伝わる。

「ん………」

 問いかけには答えず、うつむいて身を小さくする少女。困ったような表情を浮かべながら、太腿を擦り合わせている。

「(この子ってば、また感じちゃってるのかな…)」

 最初はそう理解していたが、少女の様子を見ていると、どうやらもっと生理的な欲求に悩まされているのではないかと思えてきた。
 わざとゆっくり防具を外してやりながら、相手の表情をちらちらとうかがうリーア。少女は時おり苦しそうな様子を見せたり、落ち着き無く視線をさ迷わせたりしている。両手は相変わらず太腿の付け根でしっかりと挟み込まれ、足の指先まで緊張させているようである。

「(ひょっとして…おしっこ我慢してる…の?)」

 きっと身体の火照りが冷めてくるにつれて、尿意がこみ上げてきたのかもしれない。そんな経験なら自分にもある。しかしそんな様子を見ているうちに、リーアは少女に対する嗜虐心が再びふつふつと湧き起こってきたのを自覚していた。

「さて…全部外し終わったわ……」

「あの…わたし、ちょっと……」

 その言葉を待っていたかのように少女が話しかけてくる。しかしリーアは聞き入れる様子もなく、手首を引っ張ってベッドの上から連れ出した。

「じゃあ、最後に湯浴みしましょうか。」

「あ…その……待って……」

 腰が引けて内股気味になりながら、無理やり引っ張られていく少女。浴槽のところまでくると、リーアは少女を抱え上げて中に入れてあげた。そして自分も手早く服を脱ぎ去ると、足をお湯に浸ける。

 少女は上半身に肌着一枚を身にまとっただけの格好で、浴槽の中で突っ立ったままである。羞恥心のためか、それともリーアの予想通り尿意が切迫しているためか、脚が小刻みに震えているのが見てとれる。

「あの…先に……用を足してきたい……やっ!…ん…ふぅ…」
 
 耳まで真っ赤にしながら小声で訴えた少女の口が、リーアの唇でふさがれた。離れる隙を与えず、少女の両腕を後ろに回して先ほど目隠しに使っていた布でひとまとめに縛り上げてしまう。

「そんなっ……何…するんですか…?」

「湯浴みが終わったら…行かせてあげるから……」

 少女は予想以上に尿意が高まっていたのか、太腿をぴったりと合わせて必死に出口を押さえようとしている。

「全部わたしがやってあげるから、そのまま立ってなさい。
 そうしないと…ここから無事に帰れるかどうか…わからないわよ」

 いつの間にか命令口調になっているリーア。最後は少女の耳元で囁くようにして言った。
桶で湯を汲み上げると、足首から上の方に向かって少しずつ流していく。

「ふぁ…や…ぁ……もう…あっ!!」

「だめよ、立っていなさい」

 触られる刺激にも敏感に反応してしまうのか、少女は何度も脱力してしまいそうになる。その度にリーアは腰を支えてやらなければならなかった。

「ねぇ、あなた、名前は?」

「シャイア…です……」

「本当の名前は…違うんでしょ?」

 そう言うとリーアは、少女の閉じた太腿の間に手を縦にして挿し入れた。

「そこっ…触っちゃ……やぁぁっ!」

 必死に腰を振りながら後ずさりする少女。溜まったお湯がざぶざぶと音を立てる。浴槽の端まで後退すると、いよいよ逃げ場が無くなってしまった。リーアは少女のお尻の谷間の方まで指を滑り込ませると、小刻みに振動を送り込む。

「あ…ぁ……漏れちゃう……動かさないで…ぇ……」

「また、後ろの穴に入れて欲しいの?言わないと……」

 リーアの指が蕾の入り口に触れた瞬間、少女の脳裏に先ほど自分が晒してしまった痴態がよみがえる。

「ひゃぅっ!…言います、わたし…あ、あぁっ!!」

 敏感な場所を指先で何度かノックされただけで、少女の腰の奥から痺れるような感覚が湧き起こる。自分の身体を支配しているのが快楽なのか、生理的欲求なのか、彼女にはもうわからないようだった。

「シャーリ……」

「…なぁに?聞こえなかったけど…」

 排泄物を外に出すための器官に、人の指が侵入してくる。おぞましい感覚と共に、背筋を電撃のような官能が走り抜ける。

「シャリーですっ……早く、離して…下さい……」

「そう…シャリー、お尻の穴は誰かに開発してもらったの…?」
 
「開発……?」

「いつも誰かにいじってもらってるのか…ってことよ」

 そんなやり取りを交わしている間にも、リーアの指は少しずつ奥へと潜り込む。

「違います…自分で……ふぁっ……ぁ…出ちゃう……」

 奥から膀胱が圧迫され、耐えかねた尿道が緩んで熱い液体が零れ落ちかける。その瞬間、決壊を察知したリーアは素早く少女の体内から指を引き抜いた。

「あ…!…あぁ……ぁ……」

 急速に腸壁が擦り上げられる感触が、少女の快感を増幅させる。そのまま恥ずかしい排泄姿を晒してしまうかと思われたが、必死に下腹部に神経を集中させて何とか耐え切る。その後も定期的に襲ってくる激流のような尿意をやり過ごすのに必死な様子の少女。

「じゃぁ……ここはどうなの?」

 先ほどシャリーと名乗った少女は、涙でぼんやりとした視界を声のした方に向けた。浴槽の中にしゃがみ込んだリーアの顔が、彼女の股間のすぐ前にあった。高まる尿意でもう一歩も動けなくなったシャリーは、恥ずかしい場所を隠すような体勢をとることもできなくなっていた。

「お母様が…、ここは触っちゃいけないって……」

 こんな切羽詰った状況にありながらも、妙に喋り方が真面目である。いいところのお嬢様なのかもしれない。

「そう…だめよ、女の子はこっちも綺麗にしておかなきゃ。」

 リーアの指がシャリーの女陰をまさぐる。再び溢れ出し始めていた蜜液を洗い流すように、手ですくったお湯をかけていく。

「熱い……やめ……それ以上、刺激しない…で……」

 息も絶え絶えに懇願するシャリー。しかし、まだ包皮も剥けきっていない若芽をリーアが口に含んだ瞬間、脳天まで甘い電撃が突き抜けた。


「あぁ……ひっ…きゃふぅっ・…出る…もう、出ちゃ…あぁああああ!!!!」

 リーアが口を離すと同時に、尿道口から弾けるように金色の水が溢れ出した。そのまま勢い良く一本の線になると、浴槽の中へ派手な水音を立てて零れ落ちる。

「恥ずかしい……こんなの…見ないで……」

 可愛らしい顔は涙と涎の跡で汚れ、頬にまで髪の毛が張り付いている。新たに湧き出た涙が、細いあごの先から雫となって滴り落ちていた。

 よほど体内に溜めていたのか、なかなか勢いが弱まらない。お湯と小水が混ざり合ってわずかな色の変化をもたらし、少女の香りがほのかに立ち昇る。

「こんなの…いや…ぁ……ぁ……」

 か細い声を上げながら、とうとう体ごと崩れ落ちるシャリー。弛緩した太腿の付け根には幾本もの透明な筋ができ、受け止めたリーアの体にも熱い迸りが伝わっていった…。


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「それで…自分一人じゃ物足りなくなって、ここにきたのね。」

 リーアは少女の黒髪を優しく撫でながら言った。
2人はベッドの上でシーツにくるまりながら、並んで横になっていた。シャリーの華奢な体を抱き寄せるリーア。素肌を密着させていると、少女のしなやかな肢体の感触が気持ち良い。もっと強く抱き締めてあげたいような気分になる。

「違いますっ…そういう訳ではなくて……」

 最初は恥ずかしがっていたシャリーだったが、リーアの優しい態度に接して安心したのか、声の調子も普段通りに戻ってきた。母親に甘える子供のように、リーアの胸元に頭を預けた。

「(それにしても、この子が司祭の娘だったとはね…)」

 リーアを驚かせたのは、目の前の少女がマイリーの神殿に仕える侍祭だという告白だった。しかも両親もそれなりの地位に就いているらしい。

 その娘が何故こんな店に来たのか…ということは相変わらず謎のままだったが、あえてこれ以上追及しないことにした。

「(一時の気の迷いってこともあるだろうしね…)」

 それに、こうして少女の温もりを感じていると、最近の荒んだ生活の中では得られなかった安らいだ気分になれる。もう少し2人で肌を合わせていたかった。

「くしゅっ…」

 その時、腕の中でシャリーが身体をぶるっと震わせる。

「…寒い?」

「いぇ…ごめんなさい……」

「よし、新しいお湯を持ってきてあげるから、一緒に湯浴みしようか」

 リーアは起き上がってシャリーの体を抱きかかえる。その拍子にシーツが滑り落ちて、一糸まとわぬ少女の裸身があらわになった。

「やっ…だめです…自分で、歩けます…から……」

 足をじたばたさせて嫌がるシャリー。

「いいの…最後くらいはお客様らしくしていなさい。
 お漏らししちゃったところも、しっかい洗っておかないと…ね」

「やぁ……また、そんなこと…」

 恥ずかしそうに言うと、再び頬を赤く染める少女。その女の子っぽい仕草を見ているうちに、リーアは自分の胸の高鳴りに気付いていた…。











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