〜霧の村〜






「誰もいないのか?」

 よく通る声が、静かで広い空間に響き渡る。
返答は・・・ない。

「ひと月ほど前に来たときは、確かに村人たちがいたはずなのに・・・」

 そうつぶやいて、先ほどの声の主はわずかに繭をひそめる。

「調べてみるか・・・」

 その女性が村の中央部へ向かって歩き出す。
歩を進めるたびに身につけた西洋甲冑が音を立て、美しい金髪が風に揺れる。
この国では滅多に見ることの無い、組み合わせである。
町の中であれば、その美貌も手伝って注目の的となっているだろうが、あいにく見渡す限り人はいない。

 彼女の名は、シャルロット。半年前に日本に渡ってきて、ある目的のために旅をしている。

「やはりここにもアンブロジアの支配が及んでいるのね・・・」

 村の中央にたどり着いたシャルロットであったが、やはり人気が感じられない。
その状況を見て、物憂げな表情を浮かべて軽くため息をつく。

「(長居は無用か。しかし、目的地に近づきつつあるのは確かなようだ。)」

 再び、今度は村の出口に向かって歩き出そうとするシャルロット。
しかし、ある異変を感じて立ち止まる。

「(霧・・・?でも、先ほどまではこんなに濃くはなかったはずなのに・・・)」

 その時、視界の端を人影が横切ったような気がして、はっと辺りを見回す。
彼女の目に2、3軒先の角に背の曲がった老人が歩いている様子が映る。背中の端しか見えなかったが、間違いなく人の姿だ。

「待て!そこの老人!」

 しかし、その場所に駆けつけたときには、既に人影は見当たらず、それどころか、さらに濃くなった霧によって
先ほど自分がいた場所すら見えないほどに視界が遮られ始める。

「・・・・・・???」

 村道の中央にたたずんでいた彼女を、突然めまいが襲う。

「一体何が・・・・・・?」

 いくら重い甲冑を着ているとはいえ、2間ばかり走ったくらいで息が上がるほど”やわ”ではない。

「(頭が・・・熱い・・・?)」

 少しよろめきながらも、そばの家の壁に寄りかかって一息つくシャルロット。

「ケケケっ・・・」

 先ほどの老人の声だろうか。下品な笑い声が聞こえたような気がする。
しかし、今の彼女に声の主を確かめにいく余裕はない。第一、霧のせいで向かいの家すらおぼろげにしか判別できない。

「(どうしたんだ・・・体まで重いし・・・熱い・・・)」

 自分の体の変調に耐えられなくなり、胸当てを外して地面に投げ捨てる。
そして豊満な胸を抱え込むようにして、自身の体を抱き締め、熱い息を吐く。

「や・・・・・・あ・・・・・・」

 体がうずき、無意識のうちに太腿がこすり合わされる。
快感が燃え上がるのを抑えようとするかのように、抱き締める腕にさらに力が入る。

「・・・こんにちは、お姉さ・ま♪」

「誰!?」

 突然、彼女の背後、頭の上の方から女性の声が響く。
屋根の、上。
振り返ったシャルロットの目に、アイヌの民族衣装を着た女性が映る。

「ナコルル・・・!?いえ、違うわ、あなたは・・・?」

 屋根の上で立ち上がったその女性の顔には、くの一のごとく下半分に黒い布が巻かれていて、はっきりと判別することができない。

「別にナコルルと呼んでくれても構わないわ。同じようなものだしね。」

 先ほどは気付かなかったが、巻いている布のせいで、声が少しくぐもっている。

「それよりあなた、さっきから何してるの・・・?」

 そう言ってクスリと笑うナコルル。

「(!!!)」

 自分の痴態を見られていたことに気付くシャルロット。羞恥心と怒りが同時に湧き上がる。

「トライ・・・スラッシュ・・・!!」

 体ごと振り返ると、剣を抜いて気合を溜め、素早く屋根の上に向かって突き出す。

「ちょっと何するの!」

 ガラガラと音を立てて屋根の一部が崩れるが、既にナコルルの姿はない。
あたりを見渡して確認するも、どうやら霧の中に隠れてしまったようだ。
その時、警戒を続けるシャルロットの眼前に、いきなり白い布がひるがえる。

「カムイ・リムセ!」

「何をっ!」

 剣で布ごと切り払った・・・ように感じたが、手ごたえがない。
振りが明らかに鈍い。しかも、今の一連の打ち込みだけで息は上がり、体もふらつき始めている。

「なぁに?その程度の腕で邪神アンブロジアを倒そうと意気込んでるわけ?」

 からかうようなナコルルの声が響く。

「・・・馬鹿にしているのか!」

 思わずかっとなって声のする方向に剣を突き出すシャルロット。
しかし、手ごたえがないばかりか、踏み出した瞬間、太腿の間に熱い”ぬめり”を感じて動きが止まってしまう。

「やあ・・・な、なに・・・?」

 先ほど感じていたものより、数倍大きな快感が彼女を襲う。

「や・・・だめ・・・だめだ・・・!」

 服の胸元を片手で強く握り締め、何とか理性を保とうとするシャルロット。
そんな仕草をしただけでも、服と肌が擦れ合う刺激で快感がさらに増幅されていく。
自分では直接触っていないものの、女性の大切な場所が濡れているのが感じられる。

「剣が・・・重い・・・」

 次第に体の感覚がぼんやりしてきている。既に剣は手から地面に滑り落ちてしまっているのだが
それすら気付かないような状態である。

「だめだ・・・今倒れたら・・・ナコルルに・・・」

 足から力が抜けていくのを止める術もなく、膝から崩れ落ちかける。

 その時、突然背後から誰かに抱き締められる。・・・と同時に股の間から”くちゅり”という水音が響く。
・・・少なくとも彼女の耳にはそう聞こえたように感じられた。

「あ、ひぁぁっ!あ、あぁぁーーー」

 倒れこむ寸前、ナコルルの細い指がシャルロットの秘部にあてがわれ、そのまま下着の中に埋没する。

「だめぇっ!離して!ん、やぁ、あ、あぁっ!」

 ゆっくりとさするように秘部を愛撫するナコルル。
シャルロットもそれに応じて思わず嬌声を上げてしまう。

「あら・・・はしたない声出すのね。それにしても・・・重いわね。」

 すっかり力の抜けたシャルロットをナコルルが空いたほうの腕で腰を抱くように支える格好になっている。

「やぁ・・・離して・・・離してぇ・・・」

 涎まで垂らしながら、涙声で懇願するシャルロット。
自分の力で何とか立ち上がろうとはしているのだが、震える足に力が入らない。

「何でこんな・・・・・・きゃぁぁっ!」

 どさっという音と共に、背中から地面に投げ出される。

「ふぅ、重かった。さて、どうして欲しいのかしら?」

「やめて・・・やめてぇ・・・」

 そんなナコルルの声が聞こえているのか、うわ言のようにつぶやきながら長い足をくねらせる。

「何それ、誘ってるの?私だって幻庵の毒霧を少し吸ってしまっているんだから・・・変な気分になってしまうじゃない。」

「毒霧・・・?」

「そ。あの醜悪な老人も結構役に立つのよ。今立ち込めている霧は幻庵特性でね。催淫薬と・・・」

 そこまで言ってナコルルは口をつぐむ。野暮なことをべらべら喋る前に自分で確かめてみようという気になったらしい。
そのままシャルロットに体を重ねていく。防毒のためか顔を半分以上隠しているものの、その切れ長の目は怪しい輝きに満ちている。

「大きな胸・・・西洋人の女ってみんなこうなのかしら」

 乱れた衣服の上から、豊満な胸をさすり上げる。

「ん・・・ぁ・・・ぁ・・・」

「何?今さら恥ずかしがっちゃって・・・。さっきはあんなにはしたなく大声を上げていたのに。」

「や・・・言うな・・・言わないで・・・」

 愛撫から逃れようとしてナコルルの腕に手をかけるが、腕に全く力が入らない。

「さて、そろそろかしらね・・・。ちょっと吸っただけの私でも、もう我慢できなくなってきたし・・・」

 そう言うとナコルルは再びシャルロットの秘部に手を伸ばす。
下着の奥に指を這わせると、今度は遠慮無しに乱暴な愛撫を開始する。

「あ、あぁぁぁー!やめ、やめてぇ・・・きゃふぅっ!」

 ナコルルの指が奥に沈むたびに、腰が跳ね上がる。

「こんなに濡らしちゃって・・・。いつもお高くとまっている騎士様がだらしないわねぇ」

「(もうだめ・・・このままじゃ・・・私・・・)」

 体の芯が熱くてたまらない。心では嫌がっているのに、ナコルルの指の動きに合わせるように腰が勝手に反り上がってしまう。

 そんな様子を見てナコルルは少し目を細めると、秘部に挿しいれた指を、”く”の字に折り曲げて ある場所を刺激し始める。

「・・・あ?、そこは・・・や、やめて、あ、あ、あぁぁぁっ!」

「どうしたの?さっきまで気持ちよさそうによがっていたのに」

「だめ、そこはだめなのっ、離してっ!や、あ、あぁっ!」

 それまで恍惚としていたシャルロットの表情に、慌てたようなそぶりが混ざる。
太股をぎゅっと締めて何かに耐えているようである。

「お願い、やめて・・・やめてぇ・・・」

「(すごい効き目ね・・・催淫効果と一緒に利尿作用もある霧だとか言ってたけど・・・)」

 腰の装具の陰になって良く見えないものの、触った感じで下腹部が相当張り詰めているのが感じられる。

「やぁっ!そんなとこ押さないで!で、出ちゃうー!」

 軽く押されただけで、シャルロットは絶叫してしまう。

「何が出ちゃうの・・・?シャルロット?」

 言わずもがなの質問をしながら、ナコルルは愛撫の速度を速めていく。
今まで味わったことのない快感と生理的な欲求が同時にシャルロットを襲う。

 思わず快感に身をまかせてしまいそうになるが、そんなことをすれば ナコルルの前でさらに恥ずかしい痴態をさらしてしまうことは明らかである。

「も・・・だめ・・・や、やぁぁ・・・」

 シャルロットの声が次第にか細いものになっていく。美しい碧眼からは涙が零れ落ち、
はしたなく開いた口から垂れる涎と混ざり合う。

「あらぁ。綺麗な顔が台無しじゃない。・・・さ、そろそろ終わりにしましょうか。」

 そう言うとナコルルは両手を使い、シャルロットの秘部の中と下腹部の上から同時に圧力を加える。

「やめ、きゃっ!いやあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!」

 どこにそんな力が残っていたのか、絶叫とともにシャルロットがナコルルを突き飛ばす。
そのまま何とか起き上がると、2、3歩ふらふらと前に歩き出す。

「出ちゃ・・・見ないで・・・見ないでぇ・・・」

 何とか腰の装具を外して下着を下ろそうとするが、手が震えて思うように動かない。

「あ!あ!あぁ・・・」

 下着の中から”しゅー”というくぐもった音が響く。慌てて装具の隙間から手を挿し入れ、
恥ずかしい場所を押さえつけるシャルロット。
太股に半透明な筋が走り、直後、手の隙間から金色の液体が勢いよく零れ落ちる。

「止まってぇ・・・こんな・・・いやぁぁ・・・」

 大量の液体が地面に水溜りを作り、さらに派手な水音を立てて流れ込む。

・・・・・・・・・・・・・・・

 1分ほどそんな状態が続いただろうか。ようやく終わったかとナコルルが近付こうとしたその時、
シャルロットは女性として最も恥ずかしい姿をさらしてしまう。
足から力が抜けて膝が落ちた瞬間、普段の彼女からは想像もつかないような嬌声が発せられる。

「ひんっ、あ、あ、あ、あぁ、いく、いっちゃうーーーーーーー!」

 見ればシャルロットの指が、先ほどのナコルルに愛撫されていた時と同じくらい下着の中に埋没してしまっている。
おもらしを止めようと自分で秘部を押さえつけた弾みで、限界近くまで燃え上がっていた快感が一気に増幅してしまったようである。

「あらあら。騎士様は自分の慰め方も知らないのね・・・。楽しみは最後にとっておいたのに、勝手に達してしまうなんて、興醒めだわ。」

 捨て台詞を残してナコルルは霧の中に再び姿を消す。

「いやっ、また、い・・・く・・・こんなの・・・あぁぁぁっ!」

 再び、ぱしゃぱしゃと響く水音。霧の中での彼女の痴態はしばらく続く・・・。








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